History/Kangta & Vaness

20060711 Kangta & Vanness 인터뷰 (Asian Crossing)

혀니나라 2016. 9. 18. 08:42

 

 

ASIAN CROSSING:Kangta & Vanness インタビュー

 

www.asiancrossing.jp

 

 

ASICRO FOCUS file no.47

アジアを跨ぐ新ユニット Kangta & Vanness

2006.7.11
グランドハイアット東京(六本木)


 ヴァネスのソロ・コンサート最終日、9日夜公演のアンコール時にゲスト出演したカンタ。カンタ&ヴァネスとして日本初のステージを披露したふたりは、翌日10日より『Scandal』のアルバム・プロモーション活動を開始。都内でのトークイベントにラジオにと飛び回り、11日には、朝から多数のマスコミによる合同取材&撮影会に応じてくれました。

 ヴァネス来日前から、『Scandal』発売時の様子や各地でのPR活動が伝えられていたので、日本マスコミ陣の期待&注目度も大。各媒体より一問一答形式でのグループ・インタビューでしたが、初のコラボレーションの感想や周囲の反応、お互いのこと、アルバムや音楽、これからのことについて語ってくれました。


●初めてのコラボレーション
コラボレーションの難しさはありましたか?

 カンタ「最も難しかったのは、国が違うこと。別々に活動してきたのでお互いに忙しくて、スケジュールを合わせるのも難しいのですが、ふたりで解決しました。言葉の問題もありました。よい点は、2つの国の者同士なので、たくさんの人に関心を持ってもらえることです。周りの多くの人たちに影響を与えられるのは、とてもいいことだと思います。今後もアジアの別々の国の人たちに、このようなコラボレーションをしていっていただけたらと思います」

 ヴァネス「スケジュールの調整や言葉の壁はありましたが、それ以外では、周りの人たちが協力してくれたので、スムーズに楽しくやれました。レコーディングも皆プロフェッショナルで、とても快適でした。作詞やクリエイティブなど、感じたまま自由にやらせてくれたし、何の制限もなく、とても楽しかったです。長い苦労の後で、やっとアルバムが出ましたが、アルバムを聴いた人の反応や、MTVミュージックアワードに出演した時のように、各国のファンたちのサポートを見て報われた気分です。過去5年間、MTVミュージックアワードでトリを務めたアジアのアーティストはいないそうです。とても光栄なことで、感謝しています」

●これまでとの違い

カンタさんは「H.O.T.」や「S」として、ヴァネスさんは「F4」として活躍していますが、他のグループにはない「Kangta & Vanness」の魅力とは?

 カンタ「(真顔で)まず5人、次が3人、今回はふたりと数が違います。ジョーダンデス(笑)。今までは人数が多かったんですが、よい点は他のメンバーがいて心強いところ。頼れるという点でグループはよかったです。ヴァネスとはふたりなんですが、ふたりで1つになる感じかな。頼り合うということでも、ヴァネスが僕で僕がヴァネスという親密さや近い感じは、ふたりだということで感じます」

 ヴァネス「ウーン、ソウソウソウ。違いはというと、僕の場合、それは音楽で、今回のアルバムではF4とは違うものを作りたかったんです。自分の性格により近いものにしたかったので、ハイ・エナジーでハイ・ペースでダンサブルなものになりました。このアルバムでやったような先端の音楽で仕事をする方が、より心地よいですから。それにほら、他のF3のメンバーがこの曲で歌って踊るのって想像できないでしょ(笑)」

●お互いについて

お互いに似ている所を教えてください。

 カンタ「音楽については、僕もラップやヘビーメタルなど、なんでも好きなので、それが共通点だと思います。仕事に対する姿勢については、一生懸命仕事をやる時は一生懸命やるし、遊ぶ時はよく遊びます」

 ヴァネス「音楽やエンターテイメントの面でも、性格も似ています。食べ物も彼はなんでも食べるし、僕も基本的にはなんでも食べたい方です(笑)。ファッションのセンスも似ていて、カンタはすごくセンスがいいので、僕はラッキー」

今回一緒に仕事をしてみて、意外な一面はありましたか?

 ヴァネス「彼はおもしろい奴! 写真やミュージック・ビデオなんかを見ると、すごくクールでタフなイメージだけど、実際の彼は愉快で寛容です」

 カンタ「ヴァネスはご覧の通りとても男らしいイメージだし、コンサートでも彼の肉体美は皆さんご存じだと思いますが、ステージにあがるとかわいいんですよ。(通訳の合間に日本語で「カワイイデス。ホントニ、カワイイ」とカンタ)一緒に仕事をしている人たちを笑わせたり、愛嬌を振りまいて楽しいんです。韓国でラジオ番組に出演した時、ヴァネスのことをかっこいいと言うリスナーもいましたが、今はかわいいという声も多いです。韓国の女性はかわいいと騒いでます」
 それを聞いたヴァネス、フフフと笑って「Yeah?(そうなの?)」とかわいく尋ね返してました。
お互いに、自分にない魅力はどこだと思いますか?

 カンタ「完璧な肉体と話す時の声。男らしい声ですよね。ヴァネスとインタビューに出る時は、僕も男らしい声を出すようにしてます。アーアー、ヨロシクオネガイシマス」(場内笑)

 ヴァネス「なんて表現したらいいかな…(カンタ「ホメテクダサイ」)カンタにはとても知的な雰囲気がある。そこが魅力です」


● 『Scandal』について

「Scandal」はインパクトのある曲ですが、アルバムのコンセプトは?
1曲目の「Scandal」の作曲を依頼する上で、どのような注文を出しましたか?

 ヴァネス「ハイ・エナジーなものにして、聴いた時にインパクトを与えるようにしました。アルバムの最初に来る曲ですから、今回のコラボレーションの特色を出すために、大きなインパクトを持たせたかったんです。アルバムや僕たちに、聴く人を引き込む力を持たせようとしました。曲作りの段階では、Rapの部分は自分で書いてもいいかと聞いたら、好きなようにやっていいと言われたので、実際に製作にも参加できて、自分としても思い入れの深いものになりました」

 カンタ「作曲家(ユ・ヨンジン)の方には、まず強いイメージ、強さを強調して欲しいというのが1番目。いろんな方に好感の持てる音楽、例えばクラブで聴いたり、車の中で聴いたり、どこでも楽しめる音楽、いろんな方に聴いてもらえる音楽であることが2番目。そして3番目は、今までの音楽とはまったく違うカラーであること。この3つの点を強調しました。アジアのいろんな国で聴いてもらうので、言葉の違いはありますが、その違いを超越して、いろんな国の方たちにいろんなところで楽しんでもらえる音楽をお願いしました」

●音楽シーンについて

カンタさんはK-popの世界で、ヴァネスさんはC-pop の世界で活躍されていますが、今回一緒に仕事をしてみて、それぞれに違いは何だと思いますか?(これはアジクロからの質問)

 カンタ「K-Popは変化が速く、特にこれが韓国の音楽と決まっているものはありません。それに比べて、中華圏の音楽は新しいものを取り入れつつ、古いもの、よいものは残すという特徴があると思います。今回、僕たちがやったものには、その両方がうまく組み合わさっていると思います。そこが魅力になっていればと期待しています」

 ヴァネス「韓国の音楽はたしかに変化が速く、常に変わっているし、常に熱くて、次はどの方向へ向かっているのかわかりません。台湾のポップシーンは…うーん…なんていったらいいか…(かなり考えながら)基本的に、ターゲットの対象がかなり若いように思います。(「ウン」とカンタも頷く)そこに難しさもあります。韓国には、深みのあるミュージック・ビデオがたくさんあって、ドラマのようなストーリーラインもあるし、K-Popのそういうところが気に入ってます」

 と通訳されている間に、「これ電池がないよ」と目の前のテレコを心配するヴァネス。手にとって縦に置いたり、寝かせたり。カンタも面白そうに日本語で「スイマセン、ダイジョウブデスカ? ヨロシクオネガイシマース」とテレコに向かって囁いていました(笑)。カンタって日本語がかなり上手い!

● 周囲の反応とこれから

ふたりで動き始めた訳ですが、それぞれの周囲の方の反応はいかがですか?

 カンタ「H.O.T(ムン・ヒジュン、チャン・ウヒョク、トニー・アン、イ・ジェウォン)のトニーからは、とてもよかったと連絡をもらいました。知り合いや友だちにも好評です。Sのメンバーたち(イ・ジフン、シン・ヘソン)は、自分たちも仲間に入れてくれと言ってます。韓国の多くの歌手たちは、今回の僕たちのユニットを羨ましがっています。これからは、韓国の他の歌手たちも、アジアの国の人たちとのユニットが増えて来るでしょう。日本の歌手と韓国の歌手、中華圏の歌手など、いろんなユニットが出てくればと思います」

 ヴァネス「最初にこの話を聞いた時は、とても素晴らしいアイデアだと思ったし、他のF4(ジェリー・イェン、ヴィック・チョウ、ケン・チュウ)のメンバーたちも、それはいいアイデアだねと言って喜んでくれました。実際にカンタとの仕事が始まると、もっといろんなコラボレーションができるね、という話になりました。例えばSとF4とか、他の誰かとか…。誰もがこのプロジェクトを支持してくれました」
 それを聞いたカンタが英語でヴァネスに「個人的には、カンタ&ヴァネスだけがいいな」(会場笑)

今後の活動で具体的に決まっていることはありますか? 9月には北京コンサートの話が出ていますが。

 カンタ「よい仕事があれば積極的にやっていきたいです。北京でのコンサートについては、まだ具体的なスケジュールは決まっていません。今後はプロモーション活動で香港、中国などを回る予定。その中で、なにかアイデアがあれば、ふたりで考えていきます」

 ヴァネス「Yep!(そうだね!) しばらくは、いろんな国でのプロモーション活動を続けます。それ以外では、お互いにスケジュールが詰まっているので、その中で何ができるかを検討しているところ。9月のコンサートについては、ぜひ実現できるよう調整中です」

●コンサートについて

ヴァネスさんの今回のコンサートで、自分のアイデアを取り入れたところは?

 ヴァネス「全部、自分の意見が入っています。ステージデザインから、登場のし方、背景…背景はニューヨークのストリートにいるような感じを出したかったので、大道具から小道具、階段の向きまで考えました。照明についても、香港の製作会社と8時間ほどミーティングをしました。スモークはいつ出すかとか、この歌のライティングはこんな色にしたいとか…。彼らの仕事ぶりは素晴らしかったです。皆すごくプロフェッショナルで、ステージに出たら、照明は軍隊の指揮みたいに完璧。感動しました」

 

カンタ&ヴァネスで『Scandal』のコンサートをやるとしたら、どんな演出にしますか?

 カンタ「カンタ&ヴァネスでやる場合は、別々の人間がやるのでバランスを合わせないといけませんが、バランスが合わないふたりが一緒に歌うようなコンサートにしたいです。ヴァネスはヴァネスのステージ、カンタはカンタのステージ、そしてカンタ&ヴァネスのステージ、と3つの魅力が出せるコンサートにしたいです」
 ここで合同インタビューは終了。ふたりとも「オツカレサマデシタ」と日本語で挨拶して、次の撮影場所へ向かいました。元気よく答えるカンタに比べ、さすがにコンサートの疲れが出たのか、ヴァネスの声や様子にはやや弱々しさが。通訳の合間には、目の前にある録音機材を眺めたり、誰かの携帯音に反応したり。また取材部屋の冷房が香港のホテル並みに寒かったので、途中でホットコーヒーをもらっていました。

 その後も、アジアの各地で快進撃を続けているカンタ&ヴァネス。このユニットの成功は、その他のアーティストたちにも新たな刺激を与えているようです。新しいアジアのコラボレーションがどんなマジックを生み出していくか、これからの展開が楽しみです。

(取材:アジコ 撮影:渡辺綾子)